フットボールは実に単純だ。オレがシュートをすべて止めればチームが負けることはない。
ジャンルイジ・ブッフォン
こんにちは。サッカーメンタルコーチのカメダです。
コーチングを勉強していると「思い込みを外す」という言葉に出会います。
結果が出ないには出ないなりの原因はあるもので、メンタル面からそれを紐解いていくと「思い込み」にぶち当たります。
僕は「前提」とも言っているのですが、例えば目標を設定する時などに「自分にはできない」とか「自分はこんなもんだ」とか思ったことが一度はあると思います。
でも、それは本当でしょうか?
まだやったことないのに、やる前から「できない」と判断する。決めつける。
これを「思い込み」と言っています。
思い込みを外す…よりもしっくりくる表現
こういうケースでは、それは思い込みだと気づいてもらい、もっとポジティブなメンタルを作って目標に向かって疾走していくようにしていくのがコーチングです。(もちろんそれを望むのなら、ですが)
それを「思い込みを外す」と言います。
ただ、これを最初に教わったときには「そうだな」と納得していたのですが、このところ言葉について色々と考えていたらしっくりこなくなったんですね。
それはなぜか。
以前、ブログにも書いた気がするのですが、人間はどこかで絶対に思い込み、それを元に行動するからです。
つまり、「自分にはできない」というのも、「自分にはできる」というのも、方向性が違うだけでどっちも「思い込み」なわけです。
だもんで、もっとしっくりくる表現はないか、と考えた時、僕は「思い込みを書き換える」とした方がより納得いくようになったんですね。
ブッフォンの言葉が示すメンタリティ
冒頭の今でもイタリア代表として現役で活躍しているジャンルイジ・ブッフォンの言葉は、GKというメンタル面で難しい調整が必要なポジションにあって、思い込みを見事に書き換えた例だなーと思っていて、GK出身の僕はこの言葉がお気に入りです。
まず、この言葉の前提はどういうものでしょうか。
普通であれば、GKがシュートを全部止めることなんて「できません」。
そして、多くのGKが全部は止められないと思っています。
が、それを実現できるかできないかはさておいて、ブッフォンはまず自分の中で「それは可能なことなんだ。そのために鍛錬するんだ」という前提に立っていることがわかります。
これは、キャリアを積む中でGKとして向上していくためにメンタリティを書き換えているわけですね。
そして、このメンタリティを持つことで、GKというポジションの難しさを「単純」といい切り、自分がやること、目指すところをシンプルにしているわけです。
そして、さらにすごいのが「できるとは言っていない」というところ(笑)
現実に照らして、生涯失点しないGKなどいません。
GKはいつか失点に向き合う時が来るものなのです。
だけど、ブッフォンは「全部止めればチームは負けない」という。
そして、失点すれば当然負けることもある。
これはどういうことか。
「だから、俺にはまだまだ伸び白があるんだ」
ですよね?
このことをブッフォン自身が意識しているしていないはもちろん知る由もありませんが、39歳になって今尚、ユベントスというビッグクラブの正GKとして君臨し続けるばかりか、イタリア代表のゴールマウスまで守っているのは、こうしたメンタリティがあることも見過ごせないことなのです。
当然、GKとしてのスキルがずば抜けて高いことは言うまでもないことです。
ブッフォンは自分にはまだまだ伸びしろがあるんだとポジティブに思い込むことで、年齢を重ねても第一線の中でも未だトップオブトップでやれているんだと、僕は考えています。
メンタルが先
こうした境地に至るのは並大抵のことではないですし、経験と確かな実力に裏打ちされた自信があることも事実でしょう。
ですが、こうしたレベルに到達するためにはやはり「メンタルが先」になるんです。
誰もが最初は実績なんてものはないわけで、それでも経験を積んでいくためには「自信」を持ってないとやっていけません。
この辺はまたおいおい取り上げていきますが、「どう思い込むのか」「どう思い込んで行けばいいのか」を考え、実践することは欲しい結果への第一歩になります。
じゃあどうりゃいいんだ!という当然の疑問が湧いてくることですし。
まとめ
サッカー選手の名言は調べているととても面白いです。
昔はこういう名言みたいなのを集めるのが好きで、それを眺めてモチベーションを上げるなんてこともやってましたね(笑)なつかしい…
ただ、名言や偉人が残した至言とかは、表面だけ捉えて真似しようと思っても気がつけば忘れるものですし、あまり意識しすぎると逆に「自分はダメだorz」と自信を失いかねないことがあるので注意が必要です。
一つポイントがあるとすれば、これら名言がどういう前提に立った言葉で、どういう在り方から導き出されたものなのかに思いをはせること。
今の自分のままで取り入れようと思っても、言葉といえどなかなか自分のものにはなりません。
そのあたりに注意して、明日からまた精進しましょう。
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